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・C.P.I.の会員になる(海外に友だちをもとう)
向学新聞1991年12月1日
地域での留学生交流の意義について、小西会長に取材
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----- 以下掲載記事全文
≪日本人と留学生会の交流≫
−地域に根付いた活動:C.P.I.とPPIの協力体制−
スリランカやインドネシアとの間で教育里親里子活動を展開している
C.P.I.教育文化交流推進委員会(小西菊文代表)は
1987年に本格的な活動をスタート。
日本全国に40箇所の地域会、2600名の会員を抱えている。
またCPIは留学生との交流活動にも積極的に取り組み、
特に在日インドネシア留学生協会(PPI)とタイアップし、
シンポジウム、地域交流など活発な活動を行っている。
今回の「ひろば」はCPIとPPIの協力体制について取り上げた。
C.P.I.代表・小西菊文さんは、
C.P.I.会員とインドネシア留学生協会の間で進んでいるホームステイや
シンポジウムなどの、地域交流プランについて次のように語る。
「全国のC.P.I.会員に留学生のホームステイやホームビジィットなどが
可能かどうかアンケート調査をしてみましたが、可能な率は、
都市部からだんだん周辺に行けば行くほど高くなります。
ホームステイについては住宅事情などから
東京の中央区・千代田区はほとんど難しく、
新宿などの山の手で5%ほど、
江東区・墨田区の下町で10%ほど。
千葉県・埼玉県・静岡県になると20%ほどに。
東北地方全体では30%ほど、
地方は、ホームビジットも含めると50%から60%ほどになります。
北海道になると、ほとんど全員の方が
『何らかの交流の機会をもちたい』 ということになってきます。
ですから、地方での地域交流にはおおいに展望があると思います。」
C.P.I.とPPIとの協力関係は、
1988年の4ヶ月間通して行われたC.P.I.主催のマラソンシンポジウムから。
その内1ヶ月間はインドネシアフェスティバルが開かれた。
89年には「インドネシア、日本間の相互理解」、
90年は「よりよい人間環境と教育開発」をテーマに
それぞれシンポジウムを開催。
今年はインドネシア・バンドン青年委員会のメンバー30名を招き、
2週間ほどホームステイで家庭交流をしながら、
東京都金平副知事訪問、
東京都での清掃・水の問題の研修、
静岡の農協や漁協の見学・研修、
静岡県富士の宮市で地元の小学生など市民との歌や踊りの交歓など
充実したスケジュールをこなした。
ホームステイはバンドン青年とPPIのメンバーがオールペアになり、
日本人家庭とホームステイ。50人ほどのインドネシア留学生が
日本人家庭と青年団の仲介役として大活躍した。
留学生との交流の課題として、小西さんは次の点をあげた。
「留学生は、授業を欠席することに対する恐れがある。
留学生が2、3日大学を休むことが非常に大変でした。
大学院の場合、主任教授の了解は取れるのですが、
研究室で日本人の先輩とペアになって研究している場合が多く、
日本人学生の補助のような形でやっている留学生が結構多いのです。
すると、留学生の気持ちには、日本人の先輩から怒られるのでは、
という懸念が非常に強いのです。
留学生の日本人との交流について、
日本人の学生、特に先輩たちがもっとその意義を認め、
積極的に取り組むように進めてやることが必要ではないでしょうか」
「また、学部の留学生は授業に出ないとわからなくなる、
日本人の場合は友人にノートを借りるなどすればいいのですが、
留学生の場合むずかしいらしい。
この大学の現状をどうにかして行かないと、
留学生が本当の意味で安心して交流していくことができないと思います」
(後略)